探偵学入門 (ハヤカワ・ミステリ)



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探偵学入門 (ハヤカワ・ミステリ)
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リューイン初の短編集

プロンジーニの邦訳が出なくなり、グリーンリーフがタナー・シリーズを完結させてしまって以来、追い掛けたくなる一人称探偵小説作家はブロックと、このリューインだけになってしまった。クラムリーは相変わらず寡作だし、ペレケーノスは探偵小説ではないし。前置きが長くなったが、本作は「探偵家族」シリーズの六編を含む、リューイン初の短編集。その六編はまるでアメリカのホーム・ドラマを思わせる、ほのぼのとした佳作揃い。この辺を書かせると、やはり上手い。他にはパウダーものの一編、新たな連作の最初の一編となる「ミスター・ハード・マン」あたりが良く出来ている。その他は多少バラつきのある内容だが、のんびりとした読書の時間を持つには、格好の作品集になっている。噂ではアルバート・サムスンものの長編が仕上がりつつあるらしい。期待しましょう。



早川書房
探偵家族 冬の事件簿 (ハヤカワ・ミステリ)