意外な「はまり方」
「フィリピンにはまった人」ときけば、ああ「女」だなと多くの人は思う。たしかに前作『マニラ行き』にも本書にもそういう人は登場するが、それだけではない実に意外な「はまり方」があるところがおもしろい。特に本書は「ジジババ」特集であり、女性も出てくる。ある68歳の女性は、父親の隠し子がいたことがきっかけでフィリピンへ出かけ、そして魅了された。定年を迎えた別の女性は、自分の死に場所を探しに有料老人ホームを見学に行く。フィリピンという“場”を設定し、そこにさまざまな理由で集まってきた年配日本人の姿を描いた人物ルポの快作。 ただ、最終章のフィリピン移住へのアドバイスの項は蛇足では、と私は思う。
人間模様ってやつには届かないね
今までの「フィリピン・アジアにはまる本」に比べて、年齢層が高い方々がターゲット(?) 文章のテンポも前作同様非常に良し。「あーなんでこんな立派な人がど壷にはまるんやろ、アハハハー」って。 でもやはり例えば70歳の人の人生を100%語るのならば70年必要な訳で、その点ではどのセンテンスもその100%、えぐりとることはさすがに出来ていない気が・・・。 でも面白いです。買って損なし、得もなし。
太田出版
死んでもいい―マニラ行きの男たち 甘い肌―消えた堕天使(フィリピーナ) (祥伝社文庫) マニラ通 そんなアジアに騙されて マニラ好き
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