フィリピンの環境とコミュニティ―砂糖生産と伐採の現場から



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関良基さんにひとこと(もっと事実を調べて下さい)

こちらの本、および先日の「国際協力ジャーナル」への寄稿文を拝読させて頂きました。昨年までフィリピンの「森林セクタープロジェクト」を見守ってきた者として、一つ事実関係を説明させて頂きます。国際協力銀行が支援しているフィリピンに対する近年の植林活動にはご存知の通り「森林セクターローン」と「森林セクタープロジェクト」の2種類があります。上記の本および「国際協力ジャーナル」ではその「ローン」と「プロジェクト」が混同されているようです。関さんの指摘は「プロジェクト」でなく「ローン」に対するものだと推察します。「ローン」はプロジェクトタイプでなかったため、ご指摘の通り充分にプロジェクトの現場に目が届かなかったという反省は否めません。しかし、その反省点を踏まえ、プロジェクトとして全国35箇所のプロジェクトサイトにおいてプロジェクト専用の管理事務所を設け、植林指導、資金管理指導、ひいてはご指摘のクレイマントと小作人の利益分配システムにまで配慮したのが「森林セクタープロジェクト」です。このプロジェクトについてはJBICでSAPIも実施されており、さまざまな問題点・改善点が検討されております。「ローン」と「プロジェクト」の違い、「プロジェクト」の経緯、「プロジェクト」における様々な試行錯誤については、公開されている資料に少し目を通していただければ分かる筈です。それらの調査を充分にせず、このような文章を執筆されていること、残念に思えてなりません。今後の研究においては更なる調査・検討をした上で執筆して頂ければ嬉しいです。私は既にこのプロジェクトの関係者ではありませんが、このプロジェクトを進める上でフィリピン・日本の両国でどれだけの人が努力・苦労してきたかもご推察いただければとおもいます。



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